皆さん、こんにちは。IJ-WIN の中島直美です。
最近、「日本で働くお母さん」の友人と話をしていて、とてもショックだったことがありました。彼女はフルタイムで働いているのですが、その日はある事情で「仕事」がお休みなのに子供を保育園に預けなければならず、そのことを非常に気に病んだがために、挙動不審にまでなって幼稚園の先生に「今日は仕事ですか?」と確認された…というのです彼女はその日一日背徳感や罪悪感にさいなまれ、さらにはこの先のことについてまで、悩んでいました。
「日本の働くお母さん」ならどういうことなのかわかるのかもしれませんが、私にはいったい何がおきているのか、本当にわからなかったのです。友人が丁寧に説明してくれて、日本の労働者や日本そのもの、そして日本の女性が置かれている状況の複雑さに本当に驚きました。 日本の企業の方がイスラエルにいらっしゃると、大抵、日本の「労働人口不足」が話題になります。上記の働くお母さんである友人の話を聞いて、 労働人口が不足してる →女性も働かなければいけない →子供を幼稚園に入れることができない →だから子供を作らない →さらに労働人口が不足する…
こんな構図が思い浮かんだとともに、「日本の女性は、仕事をする気がないからいけないんだ」とおっしゃった日本人男性の言葉を思い出しました。
この言葉だけお聞きすると、日本人女性の私としては(日本の現実を私自身が知っていなかったことは上の出来事で証明されているにもかかわらず)、「現実が全く見えていない!!!」と怒り出したい気持ちにかられます。私は実際にその方には「いえ、日本の女性も、お子さんが病気になった時に旦那さんがすぐに保育園に引き取りに行ってくれて、ご自宅で家事もやってくださったら、きっともっと仕事をしたいと思いますよ!!!」と引きつった笑顔で言ってしまったものです。
それでもその後、お客さんに対するあの態度はどうだったのだろうかと自分自身を振り返り、私は本当にあの人の言いたいことを理解していたのかなあと反省しました。それは日本人男性のタイトな働き方を見た時です。その方は、日本への帰国時間も週末に入る前の日の朝に調整して、空港についたその足で出社するとおっしゃるのです。 私が日本に出張したら、イスラエルに帰ってまずやりたいのは子供や家族に会うこと。その後仕事に本腰を入れるのは、正直なかなか力がいる、骨が折れる大仕事なのです。
本当に私は日本人男性のように働きたいかなあ…、旦那さんが病気の子供を引き取ってくれて家事をしてくれるだけで、なんなら家のことは一切しなくていいからと言われたとしても、あそこまで身を粉にして働けるだろうか…と思うと、やはり「そんなやり方の仕事なら、したくない」のです。確かに日本人男性の常識から照らし合わせたら、私は「仕事をしたくないという日本人女性」になっていました。
そんな奥の深い「日本の労働人口減少問題」ですが、日本人女性である私としてはやはり女性の活躍には興味があるし、娘の将来を思うと「女性だから」という理由で挑戦する機会を奪われる世の中に彼女を送り出したくない、そして「女性だから」という言い訳で自分自身の可能性を狭める人間になってほしくない、という気持ちが強くあります。 (そしてもちろん、息子たちにも同じことを思います。)
どの国に生まれたにしても、どの性に生まれたとしても、お互いを尊重しあってお互いの可能性を高めあえるような、そんな世の中の実現に向かって、日本とイスラエルの人々が少しでもお互いを理解しあえる場ができたら…私はそんな思いでIJ-WINの活動をしていきたいと思っています。 どうぞよろしくお願いいたします。
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